2005年1月31日(月) 同伴者 ナシ (電車利用日帰り) |
関東で屈指の名山であろう武甲山(Mt Bukou)に未だ登ったこともない私の詫び登山です。
初めて真近で武甲山を見たのは忘れもしない35年前、当時の私は岩登りしたさに
奥多野の二子山や叶山へ足蹴もなく通っておりましたが、深夜に秩父市へ差し掛かると
石灰採掘プラントの作業灯がクリスマスツリーのごとく灯っている姿でした。
誰かが、この山は何十年後には消滅してしまう運命であると聞いて悲しく思った記憶のある山です。
自宅 05:40---最寄駅05:53===06:35西武池袋駅06:50===(西武鉄道・特急秩父3号)===08:08横瀬駅 08:20---09:35生川(表参道一丁目)09:40---10:30妻坂峠10:35---11:50鳥首峠分岐点11:55--- 12:05大持山12:10---12:50子持山12:55---13:40シラジクボ13:45---(昼食10分)---14:30武甲山の肩---14:40武甲山頂14:45---16:05橋立林道終点(裏登山口)16:05---16:40橋立鍾乳洞16:40---16:50秩父鉄道・浦山口駅17:05===(秩父鉄道)===17:15お花畑駅17:15---17:20西武秩父駅17:25==(西武鉄道・特急秩父38号)===18:44西武池袋駅18:50======19:25 最寄駅---自宅 19:40 着 |
横瀬(よこぜ)駅前から望む武甲山
我が家の近くの多摩川河川からも関東山地西側の一番右に秀でる姿が望めるのが武甲山です。
初めて武甲山を知った35年前は、西武鉄道も正丸峠を越えられずに手前の吾野までの時代だったのです。
国道299号線も正丸トンネルが未開通で現在の旧道になってしまった正丸峠をヘアピンカーブの連続で
通過していました。通常、秩父市に行くためには熊谷から秩父鉄道の利用しかありませんでした
そんな一度も登る機会がなかった武甲山へ登る気持ちにさせたのは自然破壊の現状をこの目に
留めておきたかったことと、永年登山対象にしなかったことの詫びです。
AM 6時50分発の西武特急レッドアロー号 横瀬駅ホームからの武甲山
西武鉄道が秩父乗り入れをしてから30年近く経過したのに初めての全線乗車
まして、西武特急レッドアロー号は憧れの列車だったのです。
若い頃から山行では特急列車に乗る癖があまりなかったものですから・・・
月末の月曜日ということで横瀬駅に降り立ったリュック姿の客は私一人だけでした。
トイレを済ませて即座に出発! 武甲山を目標に石灰粉が舞う舗装道路を40分ほど南へと歩きだし
生川林道へ入ると雪景色へと変貌し1時間15分で武甲山表登山口(一の鳥居)518mに到着した。
道端に咲いていた蝋梅の花 生川林道の入り口 途中あった名水?
辺りは積雪が30cmはあるだろうか? ここから武甲山頂へは2時間あれば登れるのだから
今日は一日を此れだけで終わらせたくないので、武甲山とは反対側の妻坂峠へ登るルートを選択する。
登りだすと武甲山が背後に見え隠れして徐々に距離が遠のいていく
今日の武甲山登頂の目標を午後1時と考えて、ひたすら登るが積雪のせいもありペースが捗らなかった。
杉の植林の合間を登るが最近の風雪にて折られてしまったのか? 倒木が哀れな姿を呈していました。
左手に武川岳や後方の武甲山と高度が近づくにつれ辺りは落葉した雑木林に変わってくる。
妻坂峠(839m)まで50分所要し到着、腰も下ろさずに写真を写している時に反対側の名栗方面から初老の
登山者が一名登ってこられました。ここであった登山者がこの日出逢った唯一の方だったのです。
表参道(一の鳥居)壱丁目 白銀の登山道 妻坂峠にて
妻坂峠の道標 峠のお地蔵さん
腰も下ろせる処もないままに先を急ぐことにし尾根通しの道を登るが実に気持ちが良い!
1時間15分ほどで鳥首峠分岐点着、眺望が素晴らしく後方に武川岳、その右には伊豆ケ岳が
良く見え、これから向かう武甲山も堂々とした姿を見せてくれています。
鳥首峠分岐点からの伊豆ケ岳 真っ白なトレースの尾根道 大持山直下の尾根道
とにかく静かな山道が続き大持山(1294m)へ着、大持山〜子持山間がこのコースの最大の魅力でしょうか!
喧騒の無さ、遠望の素晴らしさ(遠く、日光連山・上越国境稜線・両神山)など名指しできるほどです。
大持山山頂にて 古い山頂標識 大持山より武甲山を望む
大持山(1294m)〜子持山(1273m)間は痩せ尾根が続き、左の浦山川側が特に傾斜が急であった。
痩せ尾根、部分的な岩場などあるが積雪により適度なトレースを辿ることにより、さほどの悪さは感じなかった。
子持山手前から浦山川側を見下ろす 子持山山頂にて 積雪は50cmはあろう山頂
武甲山とさほど変わらない高度をシラジクボまで下り今日の最高地点目指してゴー!
今まで以上に積雪量は増し、50cmくらいはあろうか?
予定よりも1時間以上遅れ気味ではあったが、この積雪では仕方ないかなぁ〜
子持山からの下りより武甲山 シラジクボ道標 武甲山の肩
武甲山の登りにさしかかり露岩の陽だまりにて、この日唯一の腰を下ろしての昼食タイム(10分間)
このころから寒風が吹きだし防寒具を着込み、いよいよ最後の登りで肩に到着。
山頂直下にある御嶽神社 雪に埋もれた武甲山頂の方位盤
山頂に到着し秩父市側の哀れな石灰採掘場を見下ろし、山頂までも削り取ってしまったことを憂いました。
経済成長を支えた都市化の源でもあろセメントの原料とはいえ自然愛好者にとってはやるせない思いである。
秩父の象徴、関東の名山の肩書きをもってしても、何故に武甲を削らねばならないのか!(怒)
山頂から見下ろす秩父市 西に両神山と二子山
寒風を嫌ってそそくさと下山をするが肩まで戻り、一気に高度を下げる。
途中には石灰採掘場で行われる発破時の危険待避所(丸太作り)などが数棟あった。
杉林の中をジグザグに下りきれば橋立林道終点の裏登山口に着いた。
ここからが難所でして、北面に面した林道は融雪が氷ついた道にはつるつるで3cmほどは
氷厚があろうか? 一日転ぶことの無かったのに、ここへ来て3回も転倒する始末!!
一回は3mほどフィギア状態で滑った挙句に転倒!
一回は転倒して起き上がったかと思いきや再び転倒という始末!
バランスには自信があった私もお手上げ状態の最大の難所が最後に待っているとは・・
橋立林道終点 橋立鍾乳洞
凍てついた林道歩きから開放されたころ橋立鍾乳洞に着くが、数件の手打ち蕎麦の看板を掲げる
お店は月曜日ということか?どの店も休みで食することができず、がっかり!!
鍾乳洞を後に浦山口駅へは15分ほどで無事な一日を終了と相成りました。
浦山口駅
券売機の前で思案する私には駅長さんが親切に対応していただきました。
小さな駅で待つこと15分で列車が到着、乗降客は2名と秩父鉄道の営業状態が良く分かった。
車両は3両編成で乗客は1両目0人。2両目6人、3両目3人と9名だけでした。
お花畑駅で下車し2〜3分歩いて西部秩父駅からレッドアロー号にて帰路につきました。
昨今はインターネットで気象衛星画像をリアルに見ることが出来るため、良好な天気を確認後
出かけることが出来るようになり、快適な計画を実行できるようになったのは嬉しいことです。
思いのほかの雪山を味あわせてくれた大持山・武甲山
ありがとう 最高に楽しかったよ!
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