「関東名山の山旅」 おいらくの山日記(番外編)

 

聖岳(3013m)東尾根 静岡・長野県 南アルプス国立公園

 

 2008年8月7日(木)〜8月11日(月)     同伴者  ナシ      (往復自家用車利用)

 

家族で1990年に南ア北岳登山をして以来18年間3000m峰には立ったことがなかった

何処か夏の3000m峰を登ってみたい! と思いが募り南ア南部のビック3を縦走でもしようと計画しました

今年はアプローチ道路が崖崩れで大型バスの交通機関が利用出来ないとのこと

では公共交通機関が利用出来ないのなら入山者も少なく静かだろう。

そんなことを考えながらマイカーにて入山口の畑薙第一ダムへ向かった

しかし、入山して分かりましたが北アルプス程では無いにしろ大勢の登山者がいたことは驚きでした

そして本来大好きな険悪路登山も昨夏の谷川岳一の倉沢を道具レスで登攀以来の久々であった

 

(7日)畑薙第一ダム手前(東海フォレストサービス送迎バス駐車場) 07:30===(送迎バス)===08:30椹島ロッヂ(1100m)・08:50---09:10聖岳東尾根夏道取付点(1150m)・09:20---10:00鉄塔28番(1350m)・10:10---12:20東尾根主稜線(1750m)12:40---14:10ビバーク・デポ地(1950m)《泊 》

(8日)ビバーク・デポ地(1950m)・06:50---07:30冬季ルート出合所小屋跡分岐点(1047m)・07:40---09:40白蓬の頭(2632m)

10:15---11:40森林限界(約2700m)---12:40東聖岳(2800m)・12:50---13:30・2880m峰・13:40---14:50奥聖岳(2978m)14:55---15:30前聖岳(3013m)15:45---16:50小聖岳(2662m)16:55---17:55聖平小屋(2260m)《泊 》

(9日)聖平小屋(2260m)・05:40---小聖岳(2662m)---08:35前聖岳(3013m)・08:45---09:05奥聖岳(2978m)09:20---

10:05・2880m峰10:15---11:00東聖岳(2800m)・11:05---11:45白蓬の頭(2632m)11:50---

13:30ビバーク・デポ地(1950m)《泊 》

(10日)ビバーク・デポ地(1950m)・06:35---09:00聖岳東尾根夏道取付点(1150m)・09:10---09:30椹島登山小屋(1100m)《泊 》

(11日)椹島ロッヂ(1100m)・06:30===(送迎バス)===07:30畑薙第一ダム手前(東海フォレストサービス送迎バス駐車場)

 

 2880m峰の登りより望む奥聖岳(中央)と前聖岳(左奥)

 

聖岳東尾根の地図   聖岳の位置  登山計画書

 

前夜のうちに東京から6時間を費やしてマイカーにて畑薙第一ダム手前の送迎バス乗継用の駐車場に到着した

登山届け提出後、夏季の7時30分発増発バスにて椹島ロッヂへ向かう

大井川沿いの畑薙第一ダムより奥は東海パルプの占有林のため一般車両は進入することができず

登山口の椹島、二軒小屋までは東海フォレストサービスが宿泊施設などの利用客を送迎バスにて

運んでくれる。色々な批判的な意見がWEBサイトなどで目に留まるが、この地域が乱開発のない本州最後の

秘境とまで言われているのは東海パルプ(大倉財閥)の良くも悪くも占有林であればこそと考えられます。

今後も自然破壊・乱開発を許すことなく運営を続けていただきたいものです。

 

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椹島ロッヂ前に到着した送迎バス        牛首峠から赤石沢の奥に赤石岳が聳える       聖岳東尾根の取付は椹島から20分

 

5日間の予定コースは椹島を基点に聖岳東尾根〜聖岳〜赤石岳〜荒川三山を巡り椹島に下山する計画でした

単独で幕営による3000m峰の3峰周回登山は今の自分にとって挑戦の何物でもなかった

3峰縦走は可能な限りとして第一目標は聖岳東尾根だけは完踏したいと強く思う

5日間分の装備は水6リットルを含んで23Kgと最近では背負う機会のなかった重量になってしまった

1日目聖岳東尾根の取付は椹島から林道二軒小屋畑一線を聖沢方面に20分程のところだ

 

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28番鉄塔にて休憩(取り付いて40分大汗かいた)        比較的明瞭部分の登山道            枯葉がズレて歩き難い急傾斜面   

 

中部電力の28番鉄塔巡視路入口からジグザグに鉄塔まで登るが

重荷を背負いての歳甲斐ない挑戦が始まったが寝不足の影響もあるがペースが上がらない。

鉄塔より上部は樹林帯で直射日光を浴びないのに汗が吹き出てくるほどの急登で

ガレ状の上に枯葉に覆われた足をずり落ちるような登りづらいところもある

踏後も枯葉に覆われており明瞭とは言えないが赤いペイントが目印になり助かった

赤いペイントは基本的にジグザグの折り返し点に記されている

時たまペイントも見失い道に外れていること知らされて、やっとの思いで主稜線へ這い上がることができた

主稜線上を歩き出すと幾らか傾斜も緩くなり気分も楽になった

しかし大幅に時間を要してしまったので午後1時を過ぎた頃から雷鳴が轟き雲行きが怪しくなってきたので

予定より大分手前ではあるが1日目は1950m地点にてビバーク体制を決めた

 

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    主稜線上の登山路               不明瞭だが赤ペイントが随所にある登り

 

ツェルトとドカシーを用いる予定で設営に取り掛かったら、どうもツェルトを忘れて来ていることに気づき

今後の行程を考えると致命的な大失敗であったことに唖然としてしまった

とりあえず、ある物で凌がねばならぬのでドカシーだけでプラッツを構築した。

一段落後、自問自答して一日目の自分の愚態と重要な忘れ物では連山の周回登山は

無理と判断して反省を込めて聖岳東尾根の往復登山で、この山行を楽しもうと決断する

 

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ドカシー1枚を屋根型に張ったビバークプラッツ    風通し抜群、結露なし、煙草吸い放題(結構快適です)

 

 無人の東尾根だから誰に覗かれる心配も無く3日間のベースキャンプには充分であった

椹島キャンプサイト辺りで、この有様であれば皆から笑い者になってしまうでしょうね!

 

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ビバーク地の上部は樅の自然林で南アの雰囲気満点  北側の樹林が開けた処から千枚岳が望めた

 

2日目は東尾根を登り聖平小屋へ1泊して3日目に再び東尾根を下りビバーク地へ戻る予定で

水1リットルと最低限の2日分の装備だけで重荷を背負わずに東尾根を楽しむことにした

 

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    地元団体が設置した道標      冬季ルートの出合所小屋跡へ導くプレート   ここはJ・Pと書かれたプレート

 

 ビバーク地を出て40分で冬季ルートと合流すると踏跡も古さを増し、往年から登高されていたことが伺えた

雰囲気も南アの深山特有の苔生した樅の原生林が気分を向上させてくれる

関係者が印してくれた赤ペイントが何より安心感を与えてくれ決して険悪路ではなかった

 

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白蓬の頭(しろよもぎのあたま)へ導くプレート         ラジオラリア石の岩塊が現る            点在するラジオラリア石や倒木   

 

嬉しいことに多分ではあるが東尾根を登高しているのは自分一人であったようだ

椹島を出発以来、誰一人と人と出合わず喧騒の皆無な望んでいた通りの登行である

ラジオラリア石が現れると白蓬の頭もほど近い

 

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 ラジオラリア石が点在し倒木の中を道は続く          苔生した岩と樅の林の中を登る       左側に上河内岳が顔を出せば白蓬の頭は近い

  

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ナナカマドが現れると、もう白蓬の頭の一角         白蓬の頭は赤石岳の絶好な展望台            大倉尾根の奥には千枚岳が   

 

 白蓬の頭(しろよもぎのかしら)へ飛び出すと深き赤石沢の対岸に圧倒的に聳える赤石岳が目に飛び込んできた

両翼を広げた巨人の如く流石に日本を代表する名山は高度差、大きさとも超一級でした

白蓬の頭は伐採され360度の展望を得られる絶好な展望台です

 

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 これから辿る聖岳東尾根                  兎岳から大沢岳へ続く山々                  上河内岳を望む   

 

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 東尾根下部を望む(白蓬の頭より下部は全て樹林帯)         大倉尾根越しに千枚岳                   白蓬の頭より赤石岳          

 

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     白蓬の頭にて         白蓬の頭西側の二重山稜はシダ類に似た植物が多い         幕営に適したスペース

 

白蓬の頭から森林限界までは二重山稜の多少複雑な地形であるが赤ペイントが導いてくれるので

踏跡の追跡とともに周囲の確認が重要になる地帯であった

 

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岳樺の倒木を越えて                    ホソバトリカブト

 

這松が出現してくれば森林限界は目前である

 

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 森林限界目前の登山道            森林限界より望む白蓬の頭            森林限界を過ぎた登山道

 

 森林限界に達すると周囲の展望も開けて心地よい涼風が汗を和らげてくれ爽快です

 這松が踏跡を隠すように茂り掻き分けねばならない処も何箇所もあるが視界が良ければ

 何も苦にならず一般路では味わえない険悪路ならではの楽しさを感じた 

 

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       上河内岳を望む            白根南嶺の笊ヶ岳(ザルガタケ)を望む

 

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白蓬の頭西側の二重山稜              東聖岳への登りより赤石岳                   上河内岳の全貌

 

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    森林限界より東尾根上部を望む               幾分遠ざかった赤石岳          左奥に2880m峰 右手前が東聖岳(2800m)

 

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 東聖岳目前より上部               赤石岳ズームアップ                        東聖岳山頂

 

東聖岳へは痩せ尾根づたいとなり赤石沢側と聖沢側の両側の眺望を楽しみながらの登高は最高です

東聖岳山頂は東尾根を登下降した者のみに踏むことを許された稀少な頂でした

私的には東聖岳を2800m峰と称し、2880m峰を東聖岳と称したほうが山容からしても適当ではないか?と感じた

 

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東聖岳山頂より2880m峰と奥聖岳              大沢岳と百間洞                     赤石岳ズームアップ    

 

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2880m峰の登りより東聖岳           東聖岳〜2880m峰間の這松帯            目前の2880m峰と奥聖岳

 

東聖岳から2880m峰間も痩せ尾根づたいに這松の間に細い踏跡が続き

3000m目前の高山帯には高山植物も多々咲き景観もアルペン的で東尾根の一番絵になるポイントだと感じました

 

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2880m峰より手前に奥聖岳・奥が前聖岳            2880m峰にて             フィナーレに相応しい奥聖岳への登り

 

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 2880m峰〜奥聖岳間の稜線         奥聖岳手前でガレ場を左にトラバースする       ガレ場から振り返る2880m峰

 

いよいよ奥聖岳への登りが東尾根の一番の難所であろうガレ場のトラバースと草付状ルンゼが待ち構える

既の登高者が口を揃えて悪場と言うほどにガレ場は問題がほとんど無いルートです

ガレ場を通過して急な草付状ルンゼの登りも三点支持しつつ一歩づつ確実に登れば問題はありませんでした

復路の下降では這松をホールドにしたり、草の茂りで足元が見えづらくスタンスの最良ポイントが探しづらい為に

スリップしたら40〜50mは転落してしまうだろうなぁ〜とは感じたが険悪路を歩くからには

この程度でビビッてしまうようでは通過する資格は無いでしょう。 登りより下りのほうが危険性は高いのは当然です

 

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タカネヤハズハハコ                      コバイケイソウ                      ミヤマシシウド

 

草付状ルンゼには高山植物も沢山咲いていたので上の写真を撮る余裕もあった程度です

 

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ルンゼを登りきると奥聖岳山頂南側50m下に出た    奥聖岳南尾根上よりの前聖岳山頂   

 

 奥聖岳に立ち東尾根を見下ろすと歩んだ尾根の長大さに我を慰め、また翌日には下降しなければと思うと

ガスの発生と雷雨に遭遇しないことを願って前聖岳を目指した

もう一般路を歩いていると思うと精神的にはルンルンの3000m漫歩である

 

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 奥聖岳山頂より赤石岳        奥聖岳山頂より東尾根下部           奥聖岳山頂にて

 

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奥聖岳山頂より前聖岳              チシマギキョウ                        イワツメクサ    

  

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ハクサンイチゲの群落                前聖岳が目前             前聖岳が目前

 

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岩場に可憐なチシマギキョウ                   兎岳を望む                      大沢岳と百闢エ

 

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 高山植物の保護区                    前聖岳山頂目前               山頂の一角

 

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前聖岳山頂方向盤             山頂標識                 山頂にて

 

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   山頂にて               独特な山頂標識           山頂標識と後方赤石岳

 

前聖岳山頂に立った時には誰一人登山者は居なかった

本当は水が尽きてしまったので何方かが居ることを期待していたのだが甘かったかな

ここまでの道程は好天にも恵まれ、ゆっくりと悠々と3000m散歩を楽しめました

 最高到達点に立ち、ガスの発生と時間の遅延もあり早々に一夜を身を投じる

聖平小屋を目指し下山を開始した。標高差750mを翌日に登り返すと思うと心は重かったが

 

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   兎岳方面への登山道                    大沢岳と百闢エ               山頂標識裏側の英文字プレート

 

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 聖平へ続く稜線                     ガス間の小聖岳                        小聖岳目前

 

前聖岳からの下降はガレ上の斜面をジグザグに降りて、最初のコルにて右側の岩壁下に突き上げるルンゼを

20mほど清水を汲みに下降して0,1リットルペットボトルに入れるのに10分を費やしてしまった

喉の渇きを気持ちだけ満たして聖平小屋を目指す

 

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       夕暮れ近づく小聖岳にて       白根南嶺方面の彼方に薄っすらと富士山    聖平直前に咲くつわぶき?のような花

 

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便ガ島への分岐点              上河内岳が頭上に大きく聳える                  イブキトラノウ

 

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眼下に聖平が近づく                    聖平の道標                      聖平の方向盤

 

夏季で大勢の登山者が訪れている山域で人と出会ったのは椹島を出発以来、聖平小屋に辿りつくまで

誰一人とも出会うこともない単独登山の醍醐味を思う存分楽しむことができたコースであった

 

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聖平小屋へ続く木道             保護区に咲く一輪のニッコウキスゲ

 

 聖平小屋到着は先客の皆様方が夕食を済ませた午後5時55分でした

小屋の受付で、到着が遅いですよ! 遭難しないためにも早く到着するようにして下さい!

と促されました。 それは充分に分かるが選択した登高路が東尾根からであることを話すと

多少は納得したようで無言で宿泊手続きをしてくれました

やはり一般登山者と同じレベルにしか見られていないのだなぁ〜と感じつつも

事勿れ主義の小屋番さんにはバリエーションを登ろうとする登山者の感覚は感じられなかった

まぁ〜 仕方ないのだろうなぁ〜 聖平小屋周辺にはバリエーションルートはほぼ皆無なのだから

 

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 聖平小屋の客室                  聖平小屋の朝食メニュー

 

聖平小屋に宿泊している登山者を観察してみると、私のスタイルは時代遅れ甚だしい滑稽な登山者なのだろう

それはそうだ! ここ20年満足な登山用具なども買ったことがないのだから仕方ないなぁ〜

皆様は素晴らしいザックに服装、登山靴と私など比ではなかった

いいんだ! 登山とは装備はもちろん重要ではあるが経験こそが一番重要だ! と、どれだけの

方々が理解しているのかなぁ〜と思わずには居れませんでした

 

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 笊ヶ岳の右側からの日の出                朝日を待つ聖平小屋前の幕場               朝日を浴びた聖平小屋

 

 本意ではなかったが営業小屋に食事付でお世話になり、再び翌日、往路を戻ることになる

3日目小屋番さんが黒板に当日の天気予測を書いていたが、どうも午後は雨の予報であった

聖平小屋の朝は早かった。客室内では午前3時には既に数名が出発準備すべく、ごそごそと外へ出て行く

小屋での朝食は5時には2回目の配膳で食せ、すぐに出発体制を整える

予報の雨が振り出す前には白蓬の頭以下までに下りたいとの思いで5時40分に出発した

小屋泊まりの登山者の半数以上の方々が先行している前聖岳を目指し登り返す

体も日々順応して快調そのものであるが、じっくりと山を楽しむように3時間を費やして前聖岳に立った

いよいよ東尾根の下降開始だが天候が心配で、奥聖岳から9時20分に下降をスタート

途中では雲行きが怪しくなり写真も撮ることさえ惜しんで先を急ぐ

ついに白蓬の頭を過ぎた時から雷鳴が轟き雨が降り出してしまった

雨具着用での蒸し暑さを我慢しつつ、苔むした道で転倒せぬように注意しながらビバークデポ地へ帰り着いた

 

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4日目は椹島登山小屋泊 (1軒貸切で4000円)安い々         椹島登山小屋内部          

 

4日目は下山途中で主稜線から林道までの約2、5Kmの登山路上に登高に障害となる倒木、枯枝、石などを

4日間貸切で楽しませてくれた東尾根に感謝を込めて後続登山者の一助になればと除去作業をしながら

無事に東尾根から林道に下山して椹島に到着した。

時間的には歩いて畑薙第一ダム先の駐車場まで4時間を費やせば下山できるのでしょうが

休暇も残っているし、日中の一番暑い時間帯に重荷を背負い4時間歩くと思うと躊躇せず椹島にて休養を決めた

椹島ロッヂの宿泊手続きに事務棟へ行き登山小屋の素泊りを願い出て支払いを済ませる(先払い金3000円+1000円)の

1泊4000円でした。 帰路の送迎バスに乗車させて頂く為には最安の登山小屋に素泊りするしかなかった(まぁ〜仕方ないなぁ〜)

ところが宿泊者は私一人  登山小屋1軒貸切ではないかぁ〜 気兼ねせずに、のんびりと一夜を過ごすことができラッキーの一言

今回の山行は入山以来、一人で東尾根を4日間貸切で楽しみ、登山小屋も一人で貸切。 こんなことが夏山シーズンで味わえるとは

 午前9時半と早く椹島へ下山したこともあり、昼食には2合飯を炊きレストハウスの大盛りカレーより更に超大盛りのカレーを作り食したり

周辺散策、昼寝、洗濯、装備の天日干しなどをしつつ、のんびり休養もでき活力を充分に蓄えることができました

 

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     椹島登山小屋内部               冬季小屋兼用らしくカマドストーブもある

 

 5日目は朝6時30分の始発送迎バスに乗車すべく4時30分に起床し軽い朝食(焼き餅)とパッキングを済ませて

レストハウス前でバスを待った。 バス乗車後に隣席したベテラン登山者との会話で入れ替わりで同一コースを

歩かれたことが判明して話に花が咲き、意気投合してしまい同一方面への帰宅とのことで

畑薙第一ダム下の送迎バス終点の駐車場より、ご一緒に東京までマイカーに便乗していただくことになりました。

 

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           白樺荘の風呂場                    赤石温泉「白樺荘」の概観 (白樺荘様のHPより写真拝借)

 

 帰路には静岡市が運営する無料で利用できる赤石温泉「白樺荘」の弱硫黄泉で汗を流し

入浴後には、ご一緒した先輩登山者さんより天婦羅蕎麦をご馳走していただき満腹々

今の時代に無料で利用できる行政サービスがあることにも感銘いたしました

しかし、現在の施設は来年春で建替える計画があるそうです。 

古き良き時代の灯がまた一つ消えてしまうと思うと名残り惜しい想いで一杯です。

そして白樺荘で、ご一緒したジモピーの元静岡市観光課勤務の方より情報を得て

一路、清水港の「河岸の市」へ向かう。 海産物の土産購入と海鮮料理「刺身定食」にて腹ごしらえを済ませて

車中では年季のこもった山の話を、聞かせて戴きながら一人旅の孤独感も無く

東名高速にて東京まで日没寸前ではあったが無事に到着できました

エムさん、アイさん 本当に楽しい時間を過ごさせて戴き、お疲れ様でした

 

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 帰路に立ち寄った清水港の「河岸の市」      偶然にも聖岳東尾根を歩かれたエムさんとアイさん

 

山の大きさでは日本でも屈指の南アルプス南部を計画崩れと言うか

力量知らずの周回登山計画は見事に失敗に終わってしまった

しかし現在の力量でも聖岳東尾根登下降(標高差1950m)という往復登山を充分に楽しめただけでも

大満足の5日間でした。今後の課題も見出せ、次回以降の山行に反映させられることを確信した

聖岳東尾根よ!  素晴らしいルートでした! ありがとう

 

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