「関東名山の山旅」 おいらくの山日記(番外編)

 

 飯豊連峰(梅花皮沢・石転び沢雪渓)山形県 磐梯朝日国立公園

 

2008年6月1日(日)     同伴者  ナシ      (往復自家用車利用)

 

日本一の豪雪地帯で知られる飯豊連峰に日本三大雪渓と優劣つけがたい雪渓がある。

交通の便も悪く訪れる登山者も少ない梅花皮沢・石転び沢雪渓で静かな登山が楽しむことができた。

今年は残雪が多く温身平から2,5Km地点のおいしい水と呼ばれる梅花皮沢(カイラギ沢)が大きく左に曲がる

地点より沢を埋め尽くす雪渓上を歩くことが出来た。 雪渓上を歩けた事は夏道よりかなりの時間短縮になりました。

 

(1日)天狗平幕場(410m)・ 05:40---06:00温身平(450m)---06:15第2堰堤(500m)---06:45おいしい水(570m)・06:55---07:10滝谷出合(660m)---07:40石転び沢雪渓出合(860m)---08:10左岸大石(1047m)・08:25---

09:10本石転び沢出合(1200m)---11:40梅花皮小屋(1850m)・12:20------15:15温身平(450m)---15:35

天狗平幕場(410m)

 

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 左に梅花皮岳・右に北股岳

 

梅花皮沢の地図   飯豊連峰の位置  登山コース

 

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湯沢に掛かる橋横に幕営する           海の幸づくしの夕食             朝食の味噌汁の具

 

鳥海山登山翌日の5月31日は雨天。ワイパー作動して日本海側の国道7号線を経て途中の道の駅を巡りながら

新潟県関川村経由で飯豊連峰の北部登山に適した飯豊山荘がある天狗平へ到着した。

雨の中での天幕設営を済ませて翌日の好天を願いながら一夜を過ごすこととする

気象予報では翌日は午後から晴れ間が現れるだろうとのこと。晴天になるまで登らないつもりでいるので待つしかない。

食料は酒田の海鮮市場で調達した殻付生牡蠣、鯛の刺身、カレイのから揚げと海の幸づくし

こんな物、山中で食してよいのだろうか? & 新鮮なキューリ、トマト、新玉葱、ワケギと生野菜づくし

夜通し降り続いていた雨音が午前3時頃には止んだ! 起床だ! 好天を期待しながらの朝食準備開始

半信半疑で幕外へ出てみると、なんと! 雲ひとつ無い青空ではないか!

まさか!こんな好天になるとは前夜の雨模様からは想像もできなかった。なんとラッキーであろう

 

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温身平までは散策路で20分ほど     登山道にも所々残雪現る        稜線には梅花皮岳が輝く

 

一般車両通行止ゲートから、ほぼ平坦な林道を20分ほどで温身平へ着く

玉川と分かれて梅花皮沢へと続く山道を登っていく。ゆるやかに登れる登山道です。

2つ目の堰堤を右側の階段で越えるのだが実に程よい登山者の歩幅を考慮した設計であった。

設計者も登山の心得があったのだろうか? 妙に敬意を表したくなってしまったのは私だけだろうか?

 

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右岸から滝谷が出合         おいしい水付近で雪渓へ降り立つ          雪渓上にて   

 

通年なら滝沢出合付近より雪渓へ降り立つようだが、今年は沢が左に90度屈曲する、おいしい水と呼ばれる

右手の2本の小沢が現る地点で雪渓へ降り立った。

雪渓上は心地よい冷気が漂い、快晴も手伝い気分は120パーセント これ以上の登山日和りはないだろう

 

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      快適に雪渓を登る         振り返ると単独行者が後を追ってくる

 

日曜日にも関わらず登山者の姿はちらほら、まさに岳人天国である。

 

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残雪量の多い梅花皮沢          梶川沢出合            門内沢上部 

 

登行ターゲットの石転び沢雪渓は日本三大雪渓と呼ばれる剣沢雪渓・白馬沢雪渓・針の木沢雪渓に匹敵する雪渓である

剣岳の毛勝谷雪渓と石転び沢雪渓を合わせて日本五大雪渓と呼んでも良いはずだ!

 

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 快晴の青・白・緑のコントラスト     雪面は荒れておらず実に綺麗だ       下を振り返る  

 

 ’08年度の残雪量は2年前の豪雪年をも上回るほどであった。加えて雪面が非常に荒れていないのだ!

考えて見たのだが4,5月に台風接近が続き、その際に飯豊連峰では降雪があったのではと推測してみた

通年ならスプーンカット状になり、石ころ、泥などで汚れる雪面が平面で見事に白いのだ

 

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   石転び沢雪渓出合到着      高度差1000mの登行スタート       石転び沢雪渓出合にて

 

いよいよ石転び沢雪渓出合へ到着した。道程で3Km、高度差1000mの登行が始まるのだ!

所持した装備はステッキポール2本と6本爪アイゼンである

ステッキポールは2本手に持つと滑落時に制動姿勢が取れないと判断して1本だけの使用とした

 

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    左岸大石(1047m)地点        だいぶ高度を稼いできた           右岸から本石転び沢が出合う

 

真直ぐに登り詰める雪渓登行は実に気分が良い!

♪雪よ!岩よ!我らが宿り♪ まさに岳人冥利に尽きるひと時でであろう

若き日々には雪崩の恐怖に脅えながら登り詰めた谷川岳の一の倉沢や前穂高岳の又白谷を思い出す

今では、のんびりと残雪の山々を登行したい。あえて危険を冒してまで登る気力、体力はもう無いのだ!

 

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気分爽快な雪渓登行          下部より後続登山者が迫る            梶川尾根側雪渓 

 

上部へ登り詰めるとアルプスと変わらないほどのアルペン的な景観になってきた

1ヶ月前に登った穂高岳よりも残雪量は多く飯豊連峰の一番素晴らしい時期ではないだろうか

 

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上部を望む                  梶川尾根側雪渓

 

頂稜も真近になると雪と岩の世界 登山の醍醐味が味わえる至福の時である

 

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        高度を増した石転び沢雪渓              上部を望む        左より北股岳の左俣・右股ルンゼと右斜面

  

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右岸に茂る岳樺            雪渓上の小尾根にて小休止          梶川尾根を望む

 

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 小尾根より上部を望む               北股岳                  北股岳が真近になる

 

見えた! やっと梅花皮小屋に登り詰めた 北股岳は頂に雪帽子を被り、雪庇ブロックも厳寒の厳しさを感じさせてくれた

 

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最上部からの石転び沢雪渓          北股岳直下のブロック          梅花皮小屋が見えた  

 

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       梅花皮小屋            梅花皮小屋より梅花皮岳を望む

 

 梅花皮小屋は新しく改築され昔日の感ありである

内部も清掃も整い非常に過ごし易いスペースであった(もちろん無人、管理者不在である)

清掃協力費と称して気持ち代徴収箱が吊るしてある奥ゆかしさに岳人の良心を信じたいと思う

 

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           梅花皮小屋      下山をご一緒した新潟市より来られた先輩登山者

 

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 梅花皮小屋からの梅花皮岳       飯豊連峰の最高峰、大日岳を望む        梅花皮小屋からの北股岳

 

北股岳に登頂して梶川尾根経由で天狗平まで下ろうと思っていたのだが稜線上は寒風が吹きつけて

体温を奪い去っていく。無理をせずに再訪した時に登ろうと心に刻み下山することにした

、下山は一日前後しながら登行を共にした新潟市から訪れた年輩登山者とご一緒に

往路の石転び沢雪渓を一気に滑り降りることにした。下山中には2人の山スキー愛好者が我々を追い越して

滑り去っていった。思わず拍手してしまったが、実に気持ち良さそうだった

卓越したスキー技術が無ければ滑り降りることは許されないのだろうなぁ〜

 

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梅花皮小屋からの北股岳       一気に石転び沢雪渓を下降開始        慎重に下山する先輩登山者

 

温身平まで下山し登り6時間、下り3時間の石転び沢雪渓登行は無事に終えることができた

下山後は帰ることなく明日に登る予定の月山へ向かうために、2泊目も天狗平に幕営することにした

キャンプサイトで簡単に腹ごしらえして、飯豊山荘の浴室は狭いので何時も国民宿舎「梅花皮荘」で入浴して帰るんだ!

と一緒に下山した先輩登山者のアドバイス通りに午後5時間に車にて5Km下流に所在する

国民宿舎「梅花皮荘」へ日帰り入浴するために向かった。

 

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 温身平に無事に下山             飯豊山荘前にて

 

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       飯豊山荘             キャンプサイト兼、天狗平ロッジ

 

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日帰り入浴をした国民宿舎「梅花皮荘」   山々を望みながら入浴できる浴室

 

日帰り入浴料500円というのにフロントは気持ちよく迎えてくれた
広々とした浴室からは南に飯豊連峰の残雪を抱いた山々が見え実に爽快な浴室だった

国民宿舎ということで同時に20人は入浴できるだろうと思われた

 

日本を代表する雪渓を登りたいが故に飯豊連峰を訪れたのだが

百名山に名を連ねる名山でも最高峰を目指すのではない憧れを果たすための山旅でした

♪雪よ!岩よ我らが宿り♪と唄われるように岳人の憧れは何時までも持ち続けたいものだ!

石転び沢雪渓よ!  素晴らし過ぎだ! ありがとう

 

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