黒部峡谷(下の廊下)富山県
2006年9月25〜28日(金) 同伴者 ナシ (往復夜行バス利用) |
この山旅は30年前に残雪の状況も知らずに挑んで行手を阻まれた因縁の峡谷完全踏破目指しての旅でした
WEBチング「Blueforceさん」が数年前に踏破されたお話を伺い、居た堪れなくなり決行した次第です
今回は残雪が少なくなる9月最終週ならばとの目論みで計画しましたが再度の敗退を強いられてしまいました
(25日)自宅 22:00===新宿駅前夜行バス乗り場23:30===(3列シートDX夜行バス)=== (26日)===05:45(富山地鉄)立山駅07:00===(ケーブルカー)===07:10美女平駅07:20===(高原バス)===08:30室堂駅08:45===(トロリーバス・ロープーウェー・ケーブルカー)09:35黒部湖駅---09:45黒部ダム駅09:50---10:55内蔵助谷出合---11:10丸山東壁下11:15内蔵助谷出合---12:30鳴沢小沢---12:50最初の残雪---11:50新越沢合流点---13:40別山谷出合300m手前の大ヘツリ(最終到達地)13:45---16:30 内蔵助谷出合16:40大きな岩屋(野営) (27日)大きな岩屋06:30---08:10黒部ダム駅08:20---08:35黒部湖駅08:50===(ケーブルカー・ロープーウェー・トロリーバス)09:55室堂駅---10:20みくりが池温泉11:00---地獄谷散策---11:00室堂駅14:30=== (高原バス)===14:45弥陀ヶ原バス停15:35==(高原バス)===16:25美女平駅===(富山地鉄)立山駅===18:10富山駅23:30===(3列シートDX夜行バス)=== (28日)05:50新宿駅===06:50自宅着 |
デラックス夜行バス 早朝に立山駅前に到着 ケーブルカー始発を待つ登山客
平日には夜行での交通機関が皆無な為に長野からの入山をあきらめて富山・金沢行きの夜行バスを利用することになった
休暇の少ない私にとって夜行での交通機関が無いことは非常に残念です
休日前夜には新宿より白馬行きのムーンライト快速列車があるのですが平日は運休とは・・
高原バスの車窓からの剣岳 室堂にて立山をバックに 大観峰行きのトロリーバス
早朝5:45に立山・黒部アルペンルートの富山側の始点である(富山地鉄)立山駅前に到着し下車したのは私一人だけ
剣岳登山ではいつも利用した富山側からのアルペンルートですから勝手は十分承知しているコースでした
夏山シーズンでしたなら先着順に乗車するのですが乗客数も少なくて順番待ちもすることなく
立山駅(475m)からケーブルカー→高原バスと乗り継ぎ(2,450m)の室堂まで登って思い出の剣岳を望み
名残惜しいが先を急ぐ為に15分ほどの滞在で目的地の黒部峡谷まで先を急ぐ
トロリーバス・ロープーウェー・ケーブルカーと乗り継ぎ黒部ダムに到着したのは9時45分でした
大観峰より黒部湖を望む ロープーウェーで黒部平に着く 黒部湖駅側からの黒四ダム
見事な観光放水 大町側からの黒四ダム
大町側ダムサイトにて 30年前の小雨に煙るイルボン
黒部峡谷(下の廊下)は黒部第四ダムより下流、30Km間に続く日本一の大峡谷です
黒四ダムよりの峡谷へ降り立つのは今回が4度目で、前回3回は30年前のことでしたが
歳月を感じたのはダムより下降する道の回りの(樹林帯)植生が物語っておりました
30年前はダムが完成して10年程度でしたのでガラガラのザレた道を急降下した記憶がありました。
今回の予定コースは黒部ダム〜内蔵助谷出合〜別山谷出合〜十字峡〜阿曾原小屋〜欅平でしたが
全コース踏破すると30Kmであるところ今回はダムより8Kmほど下流の別山谷出合手前300m程まででした。
出口はトロリーバストンネル途中にある 峡谷への出口 出口付近からの別山と丸山
スタートを告げる道標 左岸へ渡る橋 ダム放水の飛沫を浴びる
出発時間の遅れを気にしながら先を急ぐも、若き日にクライムした黒部丸山東壁が仰ぎたくて
内蔵助谷出合から東壁の見える場所まで寄り道をしてしまいました。
内蔵助谷出合手前の峡谷 登山道に咲く大文字草 峡谷からの別山
丸山東壁全景 丸山東壁下にて 30年前の姿 丸山東壁単独登攀時の取付にて
峡谷からの丸山 登山道に咲くリンドウ 大ダテガビン
本流に残るブロック 鳴沢小沢付近にて 本流に沿い続く登山道
ブロック横にて 新越沢合流点より見た下流 高さ30mに及ぶブロック
新越沢合流点にて一息 新越沢の見事な二段の滝 登山道
本流を覆う残雪のトンネル上流側 残雪のトンネルは100mも続く 大ヘツリ開始地点から下流を望む
新越沢合流点左岸のブロック 本流横はブロックが屏風のように 残雪のトンネルの下流側
今年はアルペンルート開通以来2番目の多雪であったために残雪も想像以上に多くて最終到達点までに
2ヶ所の難所を乗り越えて到達したのですが大ヘツリに差し掛かり岩壁の横腹に刻まれた登山道も何ヶ所か
丸太を組んで足架かりとしていますが、その1ヶ所の橋と番線ワイヤー3mほどが雪崩の影響でしょうか?
老朽化?は知りえませんが崖下50mへ落ちて、たった3mの足がかりと手がかりを渡る術を得られず、
呆然と立ちすくんでしまいました。ここまで3時間を順調に意気揚々に歩を進めてきたのだが・・・
30Kmの行程中の、たった3mを通過できずの無念です。単独行と登攀準備なしではお手上げでした。
若き頃にパーティーで歩いていたならば渡る事ができた3mだと思いました。
5分ほど思案しましたが、ここで無理をしたなら命は無いと判断して後退決断した。
このコースは途中で想像外な難所に出会い行く手を阻まれることも想定して
必ずビバーク(不時の野営)の準備もすることが得策であろうか!
出発時間の遅さもありましたが、後退するにもここまで2ヶ所の難所を通過してきた所を戻るのですから
ダムまでアルペンルート営業時間内に帰りつけるかが頭を過ぎる。
過去にダム入り口の外で雨降りに着の身着のままで寝た記憶の再現化と・・・
別山谷手前の大ヘツリの登山道
そんなことを考えながら戻るがショックが大きすぎてほとんど抜け殻状態ですから、思い通りには歩が進まず
雨も降り出したために内蔵助谷出合から200mほど上流にある大きな岩屋(自然な岩穴)で一夜を過ごすこととして
、濡れた衣類を着替えてシュラフは無いがリュックに足を突っ込み持参した衣類全部を着込んでビニールシートに
包まり横になりました。夜間は気温が10度前後まで下がって身震いしながらの夜明かしでした。
午後5時から翌朝6時まで13時間を過ごすのに、持参したプレーヤーに韓国歌謡60曲、
自分で唄った曲40曲を聴きながら過ごしたが時間の経過が遅く感じる時に聴こえてくる韓国歌謡の
曲順で時間経過が分かり、とても心強くて重宝しました。
ビバークした大岩屋より 一夜明けてダムより見た別山
翌日6時30分に出発して7時から観光放流を予告する黒部ダムのサイレンを聞きながら
ダムまで戻り再び室堂まで戻りました。
黒部湖駅の地下ケーブルカー 黒部平駅に到着
黒部平駅⇔大観峰駅のロープーウェー 色付き始めた山腹 大観峰駅
若い頃にはゆっくりとすることなく通過していた紅葉が始まった室堂周辺を余った時間を活用して散策し、
日本最高所の温泉(みくりが温泉)では入浴で身体を癒し、地獄谷周回、ホテル立山のレストランでは
立山カレーとチーズケーキと水出しコーヒーを飲みながら観光客の一員になりきった。
大観峰駅で食した朝食のうどん 室堂から大日岳 室堂から立山
みくりが池にて みくりが池と立山 日本最高所のみくりが池温泉
雲に隠れた雄山と一の越 雷鳥沢 りんどう池
血の池 りんどう池畔のナナカマド
地獄谷 源泉地 蒸気噴出孔
地獄谷にて 立山自然保護センターにて
散策途中には出会った韓国人観光客たちと韓国語を活用して観光ガイド紛いの案内をして会話を楽しみました。
帰路も弥陀ヶ原に途中下車して雨の降り出した散策路を40分ほどの散策もしました。
弥陀ヶ原に途中下車 草原に咲く吾亦紅 草原に咲くハクサンボウフウ
弥陀ヶ原の散策道
富山駅へ到着すると無性に若き日に必ず食した「鱒のすし」が恋しくて
家族への土産に買い求めて夜行バスに身を委ねた。
黒部峡谷(下の廊下)踏破の夢は二度目の挑戦も退けられたが
このコースは前冬の積雪量により難易度が違って危険性が増してしまう厄介なコースです。
正しい判断ができる者だけに許される上級コースですから、絶対に初心者だけでの
入山は謹んでほしいと感じました。
帰宅してもこの悔しさは失せず、今こうしていてもバケツを蹴飛ばしたい気持ちです。
下の廊下よ! もう一度挑戦するから待っててくれな!
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